五つの誓い





1:敬愛を手の甲に(政宗視点)



それは、異国の挨拶だと告げた。
そうなのか、と納得はしたけれど。

取っていた手が、妙に熱くなっていって。

つられて、触れた唇が、熱く震えた。

これが恋の始まりなんだと、なんとなく直感した。

だからもう一度触れる時、そっと、込めた。

必ずお前を、手にすると。























2:祈りを額に(政宗視点)



そいつは、すぐに居なくなる。
ふらり、ふらりと。
俺の気持ちを、知っているのかいないのか。

だから。

そっと、額に。

眠っているお前に、祈りを込めて。

無事に、また、俺の元へ。























3:親愛を頬に(慶次視点)



特別な感情は、まだ、分からない。
だけど、アンタの事は嫌いじゃないよ。

いつか、変わるかもしれないこの気持ちを込めて。

アンタが、時々するみたいに、俺も。



予感は、もうそこまで来ているんだ。
























4:許しを胸に(慶次視点)



アンタなら。
アンタにならって。

だから、きてよ。

もっと、もっと。

伸ばした指先で、触れてきて。

そっと目を閉じて、その時を待つから。


























5:誠実を唇に



政宗は、慶次だけだと。

慶次は、政宗だけだと。

唇に、伝える。

唇で、伝わる。